自分のカラーの使い方
「あなたは目立つのよ」
窮屈で息苦しかった看護学生時代に、教育主事のT先生に言われた言葉です。
自分のカラーを消そうと頑張っていた看護学生時代。
でも、このT先生との出会いと先生の一言が私の行動を変える事になりました!
看護学生1年生の後期だったかな?
とうとう、看護教員のトップ、教育主事T先生の部屋まで呼ばれてしまいました。
焼き芋放火未遂事件(看護学校が付属する国立病院の敷地内で落ち葉を集めて焼き芋をやったら、看護教員に大目玉を食らった事件です。)以後は猛反省していつもよりも
『静かに』『目立たないように』生活するように心がけていた私
何言われるんだろう?
もうね、呼ばれるここあたりが全くなくて、、、
なんでなんだろう?と困惑してました。
呼び出しの通知はいつも学生寮へと続く渡り廊下の玄関横にある黒板
『S1 佐藤かやのさん 職員室まで』と書かれる。
Sはスチューデントの略、1は1年生 そして、佐藤は私の旧姓
当然、他のクラスメイトから「今度は何やったの?」と聞かれる。
私が知りたい!
ドキドキしながら職員室奥にいた教育主事T先生のもとに向かった。
T先生は私を職員室横の応接会議室に連れて行った。
かなり、緊張。
だって、いつもの看護教員の先生に職員室で怒られるのとはわけが違う
個室対応だよ!!!
座った椅子がまたクッションが厚い革張りの重い椅子でますます座りごこちが悪かったのを覚えている。
「最近どうなの?」とあたりさわりのない話から始まったT先生との面接。
「いや、別に。ちゃんとやってます。」と、私。
「いろいろと報告が来てるけど、授業を椅子に胡坐をかいて聞いてるとか、ジャージで登校して授業受けてるとか。」と教育主事。
胡坐は確かにかいてました。
高校の時の教室の椅子とは違い合皮の折り畳みの椅子で普通の椅子よりも幅が広いので余裕で胡坐がかけたのです。
ジャージは寮生の中では制服と同じ感覚、寝る時もジャージ、起きてそのままのジャージで登校してたのは私だけではありませんでした。
T先生には正直な気持ちを打明けました。
「なんで普通にしてるのに、怒られるのでしょうか?
みんなと同じ事してるのに、私だけいつも怒られるんです。
声がでかいとか、態度が悪いとか。
だから、少し静かにしていようとおとなしくしてると、
担任の先生にも最近元気ないね?どうかしたの?と心配される。
私はどうすればいいですか?」
T先生ははきはきした口調で言った。
「あなた、目立つのよ。
他の人よりも目立つの。
それを自覚しなさい。」
自覚はあったけど、先生から面と向かって言われてのは初めてだったので衝撃的でした。
そして、教育主事は続けてこういいました。
「同じ目立つなら良い事を率先してやりなさい。
みんなの模範になるようなことをやってみなさい。
あなた目立つから、みんなまねするわよ。
みんなあなたについてくるわよ。
試しに学生寮の面接室(という名の喫煙室)の掃除でもしてみたら?」
人より目立つといってT先生は私を押さえつけようとはしなかった。
私のキャラを受け入れてくれてたことがうれしかった。
T先生は私に「目立つ」と言う真実を伝え、その活用方法を教えてくれた。
自分の行いに責任を持つ。
私はこの先生がいるならあと2年間の看護学生生活をやっていけるかも?という希望が持てた瞬間でした。
T先生は私が2年生になる時に他の国立病院の看護部長として赴任してしまい、それっきり会うことはなかったけれど、20+うん年前に言われたこの言葉を私は一生忘れません。
目立つことは短所にも長所にもなる。
それは私の行動次第。
私の生き方次第。
短所を長所に変えるのも自分次第。
そんなことを学んだのも看護学生時代でした。
T先生 ありがとう。